SEO施策に優先順位をつけてAI検索時代を勝ち抜こう

SEO施策に優先順位をつけてAI検索時代を勝ち抜こう

やるべきSEO施策のリストは一瞬で、無料で手に入るこのAI時代におけるSEOの最大の課題は、自社にとっての重点施策の見極めと優先順位づけです。中小企業が取り組むべきSEOの正しい優先順位は、まずは技術的な問題に対処し、次いで必要な情報を不足なく発信したうえで、知名度と評判を高める施策に集中し継続することです。

やるべきことのリストなら無料で手に入るAI時代

ChatGPTやGeminiなどのAIに聞けば、やるべきことのリストは一瞬で、しかも無料で手に入ります。AI時代をむかえた現在では「やるべきこと」をどれだけたくさん知っていても差になりません。ここで重要になるのが「自社にとっての重点施策の見極めと優先順位づけ」です。

時間、人員、予算など、社内のリソースには限りがあります。特に中小企業においてリソース不足は深刻な問題です。中小企業が社内でSEOに取り組んでいるとすぐに「やることが多すぎて手が回らない」「効果の薄いことにばかり取り組んでいる気がする」という壁にぶつかります。

戦略とは「有限の資源をどこにどれだけ割り振り、どこに割り振らないかを決めること」だと言われます。効果の薄いことや間違った施策をやめ、成果に直結する施策に戦略的にリソースを集中投下すべきです。 

日々変化するアルゴリズムを追いかけて小手先の調整を繰り返すようなことは、一時的には高い効果が得られることもありますが、あくまで一時的なもので持続性がありません。こうした施策に高い優先順位を割り当てることは、リソースが乏しい中小企業にはおすすめできません。商売の本質に近い持続的な施策を優先しましょう。

もし検索エンジンやAIがなくても事業にプラスになるか?

自分で重点施策を決めるための、とてもシンプルな基準があります。それは「もし検索エンジンやAIがなかったとしてもその施策は事業にプラスになるか?」です。僕自身も、自分のビジネスのための施策は基本的にこの基準に照らして、どう転んでもプラスになることを優先しています。

商売の本質に根ざした施策を着実に実施していれば、AIや検索エンジンのアルゴリズムが変わろうと損をすることはありません。「検索エンジンやAIがなかったとしても事業を伸ばすために有効な施策」のうち、検索エンジンやAIにも評価されるものに集中すれば、一石二鳥の効果が得られます。

この基準をもとに、中小企業が取り組むべきAI検索SEOと自然検索SEOを両立する正しい優先順位(3つのステップ)を整理しました。まずは技術的な問題に対処し、次いで必要な情報を不足なく発信します。ここまでの施策は一通り済んだら終了です。最後に、知名度と評判を高める施策を継続します。

1. 足元の技術的な問題を取り除いて土台をつくる

まず最初に取り組むべきは、Google Search Console(サーチコンソール)でページのインデックス状況を確認することです。ここで深刻な技術的問題が見つかるようなら最優先で修正しましょう。ただし、神経質にすべての問題に対処する必要はなく、ほどほどのところでやめてしまって問題ありません。

クロールエラーが放置されておらず、また、重要なページがきちんとインデックスされている状態なら、土台作りはそれで十分です。このステップは加点を狙う施策ではなく、「マイナスをゼロに近づける」ための施策ですが、マイナス要因がまったくないサイトはなく、些細なマイナス点に神経質になる必要はないからです。

2. 自社にしか出せない情報を不足なく発信する

土台が整ったら、次にやるべきはコンテンツの整備です。ただしこのAI検索時代では「検索ボリュームのあるキーワードを狙った一般的な解説記事」の量産はおすすめしません。この種の検索の回答はAIが生成するからです。最優先で掲載すべきは、「自社が発信しなければ、世の中のどこからも出てこない情報」です。

  • 製品やサービスの詳細な仕様と特徴
  • 料金体系、納期、対応エリア
  • 返品やキャンセルや保証などの各種ポリシー
  • お客さまの導入事例、お客さまの声
  • トラブルシューティングやFAQなどのサポート情報
  • 自社の詳細な会社情報

これらは、見込客が購入や問い合わせを検討するときに「絶対に知りたい情報」であり、既存客にとっても困ったときに頼る情報です。また同時に、検索エンジンやAIが必要とする一次情報でもあります。自社のサイトにこれらの情報が不足なく掲載されている状態を作り上げましょう。

3. 知名度と評判の向上にリソースを集中し、継続する

ここまでの作業が一通り済んだら、集中的かつ継続的に取り組んでいきたいのが「知名度と評判の向上」です。検索エンジンがなかったとしても、すべての企業が取り組むべき基本はここにあります。なぜなら、私たちが製品やサービス、業者を選ぶときの心理は常に明確だからです。

  1. まったく知らない会社や製品・店舗
  2. 名前は聞いたことがあるが、評判がわからない会社や製品・店舗
  3. 名前を知っていて、かつ評判がいい会社や製品・店舗

検索結果やAIの回答に上記のような候補が並んだとき、ユーザーが選ぶのは間違いなく「3」です。検索エンジンやAIももそのことをよく知っており、「世の中で知名度が高く、評判がよいことを示すシグナル」を拾い集めて検索順位やAI回答を生成します。知名度と評判を高めるために、次の3点にリソースを集中しましょう。

  1. クチコミの促進 ── 既存顧客や取引先に対して「話題の種」を提供し、オンライン(SNSやレビュー)でもオフライン(紹介や雑談)でも話題にしてもらえるよう働きかけます。口頭でのお願いはもちろん、店内の掲示物や通販の同梱物、アフターフォローの連絡などを通じて、自然にクチコミが広がる仕組みを整えましょう。
  2. パブリシティの創出 ── テレビ、新聞、業界紙、地域メディアなどの既存メディアが「取り上げたくなるニュース」を自ら企画します。社会性、話題性、時事性のある新商品やイベントの企画は、メディア露出を通じて自社の知名度を一気に引き上げてくれます。
  3. コンテンツの発信 ── 各種の士業やコンサルティングなど、専門性の高さが競争優位につながる事業を展開している場合には、コンテンツをフックにして知名度と評判を高めることもできます。専門家ならではの鋭い意見や独自の判断を、ブログやSNSや動画などあなたの得意な場所で発信し、専門家としての知名度を高めましょう。

上記の「1. クチコミの促進」は、すべての事業者が最優先に取り組むべきことです。先に重点施策を決めるための基準として紹介した「もし検索エンジンがなかったとしても、その施策は事業にプラスになるか?」に、どんな事業者であっても必ず該当するものだからです。

クチコミの促進は全社を挙げて取り組む施策です。製品やサービスの質の向上はもちろん、顧客や取引先への話題提供やクチコミ投稿のお願いなど、中小企業では経営者が率先して取り組みます。それに加えて、営業や接客など顧客と直に接する現場の社員を巻き込んで進めることで、着実に成果につながります。

他方で、「2. パブリシティの創出」と「3. コンテンツの発信」は、それらによって知名度と評判を向上させられる事業者だけが重点施策として取り組むといいでしょう。自社に不向きだと判断したら実施する必要はありません

「2. パブリシティの創出」は、製造業など新製品をたびたび発表する事業者、あるいは小売業などイベント開催との親和性の高い事業者に向いた施策です。報道価値のあるニュースを作ってプレスリリースを配信し、テレビや新聞などのマスコミや、地域メディアやウェブメディアでの報道を獲得します。

「3. コンテンツの発信」は、各種の士業やコンサルタントのような専門サービスを展開している事業者を中心に、コンテンツで専門性をアピールできる事業者に向いた施策です。専門家ならではの鋭い意見や独自の判断を発信することで、専門家としての知名度と評判を作っていきます。

SEOは「画面」ではなく「社会」を相手に取り組む

AI検索対応を含めた現代のSEOは、パソコンの画面に向かってタグや文章を調整する作業ではありません。現在のSEOは「いかにして世の中に自社の良いニュースや価値を届け、人々の話題にしてもらうか」という、ブランディングや広報活動です。自社の強みが活きる活動に集中しましょう。

効果の薄い無駄な作業や、自社や自社の事業に合わない施策に追われる必要はありません。自社や自社の事業と親和性の高い施策に集中しましょう。自社の強みを活かし、人々によく知られ評判がよい状態を作ることこそが、見込客に選ばれ、検索エンジンやAIにも選ばれる最強のSEOです。

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