独自性のあるコンテンツとは、あなたやあなたの会社だけの独自の情報を中心に組み立てたコンテンツです。ウェブ上にある他のコンテンツにはない内容を中心に構成され、容易に真似されることのない、本物のオリジナルコンテンツを発信しましょう。クリックを得にくいAI検索時代において、クリックが得られるのは本物のオリジナルコンテンツです。
独自性の低いコンテンツはクリックされない
既存のコンテンツの単なるまとめや焼き直しなら、AIによる概要やAIモードが自動で、シンプルに読みやすく生成してくれるのが現在のAI検索時代です。すでにウェブ上にある情報のまとめや焼き直しにすぎないコンテンツは、人間の検索ユーザーにとっても検索エンジンにとっても価値がありません。
既存の情報のまとめコンテンツならAIによる概要やAIモードが生成してくれる現在、検索ユーザーが求めているのは、その書き手またはその会社ならではの独自の情報、つまりオリジナルコンテンツです。Googleの検索担当副社長を務めるリズ・リード氏は、Googleブログの中で次のように述べています。
近年、ユーザーは、フォーラム、動画、ポッドキャスト、個人の投稿など、一次情報や当事者ならではの視点に触れられるサイトを積極的に探し、クリックするようになっています。また、詳細なレビュー、オリジナルの記事、独自の視点、あるいは個人の深い考察など、学びに役立つウェブ コンテンツをクリックする傾向も強まっています。
検索における AI : クエリ数が増加しクリックの質が向上 — Google1
ユーザーに探され、クリックされているのは「一次情報や当事者ならではの視点に触れられるサイト」および「詳細なレビュー、オリジナルの記事、独自の視点、あるいは個人の深い考察」という指摘は重要です。ユーザーが個別のコンテンツを見に行くときは、当事者の実体験や独自の視点や考察を求めているときなのです。
またリズ・リード氏は、英フィナンシャルタイムズのインタビュー2に答えて、製品やサービスの購入を検討する時に他の人の個人的な体験を調べる検索が若い人を中心に増えているとも語っています。Googleはそのニーズに応えるため、個人のブログを始め、Redit3やQuora4などのユーザー生成コンテンツ5からの検索結果を増やしています。ここでも重要なのは個人の独自性です。
独自性のないコンテンツがサイト上にあっても、検索結果の上位に表示される可能性は低く、仮に上位に表示されてもAIによる概要で用が足りるので多くがゼロクリックとなり、またもしクリックが得られたとしても検索ユーザーが得るものがないため良好なユーザー行動は発生しません。これはSEOにとって大きなマイナスです。
またそもそも、独自性のないコンテンツはインデックスされにくい問題もあります。2023年6月の時点でGoogleのゲイリー・イリース氏は「インデックスされるのが当たり前の時代は終わった」と述べています6。「非常にユニークで、人々が実際に興味をもつものを公開していない限り、インデックスに登録するのはかなり難しい7」のが現在です。
オリジナルコンテンツとは
辞書的な意味でのオリジナルコンテンツとは、他のコンテンツと違っていて、興味深く、特別な価値のあるコンテンツのことをいいます。コンテンツ著者自身の実体験や、コンテンツ著者の専門性に裏付けられた独自の情報や視点を提供しているなど、他のウェブサイトでは得られない、そのコンテンツならではの独自性を持つものがオリジナルコンテンツです。
有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成 | Google 検索セントラル8
- コンテンツは、独自の情報、レポート、研究または分析の結果を提示しているものですか。
- コンテンツには、自明の事柄だけでなく、洞察に富んだ分析内容や興味深い情報が含まれていますか。
- コンテンツが他のソースを参考にしたものである場合は、単なるコピーや書き換えではなく、付加価値とオリジナリティを十分に示すものですか。
Googleが独自性またはオリジナルコンテンツに言及しているドキュメントはそう多くありませんが、そのひとつに、コンテンツの独自性を自己評価するための項目として上記引用の記述があります。この記述から、Googleが求めるオリジナルコンテンツは、独自の情報や、事実報告や、研究や分析の結果などを提供するものであることがわかります。
しかしこの説明だけでは、まるで「オリジナリティはコンテンツに追加するもの」のように読めてしまします。当たり障りのない一般論を中心に、独自の部分を付け足せばオリジナルコンテンツができるようにも読めてしまうのです。しかし実際は次項で述べるように、独自の情報や実体験や主張を中心に組み立てたコンテンツがオリジナルコンテンツです。
あなた自身を表現したコンテンツ
ごく簡単に言えば、あなたのサイトに必要なオリジナルコンテンツとは「あなたがあなた自身を表現したコンテンツ」です。当事者が自分自身を表現するコンテンツであれば、他者のコンテンツを焼き直したものにはなりようがありません。自分自身についての情報は自分で発信しない限りは世に出ませんから、常にオリジナルコンテンツです。
あなたの製品やサービスとその事例、あなたの会社の情報、あなた個人の体験や感想、見解や洞察や提言を中心にコンテンツを組み立てましょう。そうして作成されるコンテンツはあなたにしか作成できないコンテンツであり、正真正銘のオリジナルコンテンツです。そして簡単には真似されないことも重要なポイントです。
企業としての発信なら、自社の製品やサービスの仕様、事例、ヘルプとサポート情報、会社情報などが、あなた自身を表現したコンテンツです。職業人も含めた個人としての発信なら、体験記、研究や分析の記録、感想、見解、洞察、意見、提言などが、あなた自身を表現したコンテンツです。以下にそうしたものの例をまとめます。
- 自社の製品やサービスの仕様 — 材質や製法や寸法、重量、エネルギー消費、納期、所要時間、価格、補償などの各種仕様。
- 事例 — あなたの顧客があなたの製品やサービスを使って、どんな課題を、どれくらいの費用と期間で、どう解決し、どのような効果が得られたかの具体的な事例。
- ヘルプとサポート情報 — あなたの製品やサービスについての詳しくわかりやすい利用方法やサポート情報。
- 会社情報 — あなたの会社についての詳細な情報。名称や所在地や代表者名、各種ポリシーのほか、沿革や理念など。
- よくある質問と答え — 多くの見込み客や顧客が疑問に感じやすい事柄と、その疑問を解消するあなたからの回答。
- 調査や研究や分析 — 業務や趣味などあなたの専門分野におけるあなた自身の独自の調査や研究、およびその結果のあなたによる分析。
- 専門家としての意見 — あなたの業界のさまざまな事柄に対する、専門家としてのあなた自身の意見や洞察や見解や提言。
- 実体験と感想 — 自分自身の視点や価値観が反映された製品やサービスのレビューや、自分の人生における出来事の体験記など、あなたの個人の体験や感想の記録。
検索ボリュームを重視してキーワードを選定し、キーワードに最適化したコンテンツを量産する、という過去の方法に比べると、上記のようなコンテンツは検索ボリュームが小さく、したがって検索結果で表示される回数が少なくなります。しかしこれらのコンテンツを検索する人々は確度の高い見込客であり、検索結果のクリック率は高く、コンバージョンにもつながりやすい傾向があります。
検索ボリュームの大きなキーワードを狙って一般論をまとめただけのコンテンツを「あなたのサイトで」見るニーズはもうありません。あなたのサイトでしか見られないコンテンツに集中すべきです。
独自性のないコンテンツは負の資産
既存の情報を調べてまとめただけで実体験や独自の視点や考察のない記事なら、AIによる概要がコンパクトでわかりやすいものを瞬時に生成してくれるのが現在です。そうしたまとめ記事はサイト上に不要です。独自性を欠いた記事は低品質コンテンツとみなされ、サイトの専門性を薄める可能性もあります。独自性の低いコンテンツは負の資産です。
下記はGoogleウェブ検索のスパムポリシーのページからの引用です。このポリシーは2024年3月以降に適用例が多くなり、主に生成AIを使って自動的に作られたコンテンツや、手動であってもそれに近いコンテンツを大量に公開しているサイトが排除されています。独自性の低いコンテンツは、その量にかかわらず排除するべきでしょう。
Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー | Google 検索セントラル9
- 複数のウェブページからのコンテンツを、十分な価値を加えることなくつなぎ合わせたり組み合わせたりしたもの
記事の構成や説明手法などがどれだけ優れていたとしても、他にない独自の内容を中心としていないなら、それはオリジナルコンテンツではありません。そのコンテンツで扱うトピックについて独自の経験や意見を持たない人や生成AIがウェブ上を調べて作成したコンテンツでは、どんなに見た目が整っていても独自性はないのです。
この意味で、構成のわかりやすさや、文章の巧拙や、図版や画像の工夫などは、オリジナルコンテンツの本質ではありません。あなたも、外見だけは美しく整っているものの独自の主張のないコンテンツを見てガッカリした経験があるはずです。外見ではなく、内容そのものが独自のものであってこそオリジナルコンテンツです。
オリジナルコンテンツの作り方
他のサイトでも得られるような情報や知識を中心に組み立てたコンテンツはオリジナルコンテンツにはなり得ません。あなたの会社、またはあなた自身にしか表現できず、他のサイトでは得られない情報を中心に組み立てることで、コンテンツはオリジナルのものになります。あなたの会社またはあなた自身にしか表現できない独自の内容とは、大まかには次の3点です。
- 自社や自社の製品やサービスの情報 — 製品仕様、サービス仕様、事例、ヘルプ・サポート情報、会社情報など。
- コンテンツ作者の経験に基づく情報 — 製品やサービスのレビュー、人生における出来事の体験記、主観的な感想、個人的な考えなど。
- コンテンツ作者の専門性に基づく情報 — 独自の調査や研究およびその分析、業界の出来事や動向についての洞察、意見、提言など。
一般的な企業であれば「1. 自社や自社の製品やサービスの情報」の発信が中心になるでしょう。ほとんどは一度しっかり制作すればアップデートの機会は多くありませんが、事例については継続的な発信が可能で、見込み客のニーズが大きいため、検索結果からの流入と問い合わせや予約や購買につなげやすいコンテンツです。
個人的なブログなどでは「2. コンテンツ作者の経験に基づく情報」の発信が中心になるでしょう。作業記録、訪問記録、買い物記録、闘病記など、個人的な感想や考えを含めた体験記は読者にとって大いに参考になるため一定の検索ニーズがあり、また、読者には複数の書き手のコンテンツを見て回る動機があるため順位が低くてもアクセスが得られやすい魅力もあります。
専門家個人や専門サービスを提供する会社では「3. コンテンツ作者の専門性に基づく情報」の発信が中心になるでしょう。あなたの専門性と独自の視点を反映したコンテンツで、読者にあなたの専門性をアピールし、読者からのポジティブな反応を引き出し、あなた自身の評判の向上につなげましょう。
まとめ
単に知識を提供するだけのコンテンツなら、あなたのサイトで発信する意味はありません。言葉や概念の意味のような一般的な知識を提供することを主目的としたコンテンツを発信しても、AIによる概要や競合コンテンツの壁があるためクリックが得られず、仮に得られたとしても読者にポジティブな印象を残すことができません。
このサイトを開設した2002年から四半世紀近くの間、僕は知識を提供するコンテンツを中心に発信してきました。しかしその運営方針ではAI検索時代を乗り越えられません。この記事は僕自身とこのサイトの反省をふまえています。
検索エンジンの現状に合わせて「独自性」の意味を狭くとらえ直し、またこれまで重視されてきた検索トラフィックよりも、AI検索で推薦を獲得するための評判の向上と、商売の根幹であるコンバージョンの獲得にフォーカスするときです。あなたにしか表現できない本当のオリジナルコンテンツの発信に切り替えていきましょう。
脚注
- 検索における AI : クエリ数が増加しクリックの質が向上 — Google ↩︎
- Google’s Elizabeth Reid: ‘Human curiosity is boundless and people ask a lot of questions’ ↩︎
- Reddit – The heart of the internet ↩︎
- Quora – A place to share knowledge and better understand the world ↩︎
- ユーザー生成コンテンツ – Wikipedia ↩︎
- Search Off the Record: Why is my site not indexed? ↩︎
- 生成AIとSEOとゴミコンテンツと「基本はインデックスされない時代」【SEO情報まとめ】 | 海外&国内SEO情報ウォッチ | Web担当者Forum ↩︎
- 有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成 | Google 検索セントラル ↩︎
- Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー | Google 検索セントラル ↩︎
住 太陽