SEOでCVを最大化するサーチマーケティング・ファネルとは

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CVを獲得するサーチマーケティング・ファネル

検索マーケティングにおけるマーケティングファネル戦略は、見込み客が購買行動の段階ごとに必要とする情報をコンテンツとして発信する試みです。これによって、見込み客が必要としている情報を、必要とするときに、効率よく届けることが可能になります。SEOを中心としながら、他の集客手法を併用することで、さらに効果が高まります。

マーケティングファネルとは

マーケティングファネルとは、カスタマージャーニーを漏斗状に表したモデルです1。顧客の人生に起こった困りごとや悩み、課題や問題を認識するところから始まり、その解決策を検討し購入するまでに通過するルートをマッピングしています。マーケターはこれを分析することで、段階ごとの施策を知ることができます。以下の図はその例です。

マーケティングファネルの図解
段階見込み客の課題マーケターの課題
認知困りごとや悩み、課題や問題の克服や解決に向けて、知識をつけ、解決策について学習する。見込み客に知識を届けるコンテンツの提供を通じて、自社の製品やサービスを知ってもらう。
検討さまざまな解決策を比較検討しながら、解決策を決定するための情報を収集する。見込み客が解決策としての製品やサービスを選択するために必要となる知識を提供する。
転換購入の決め手となる情報を探し、最終的に購入する解決策を決定する。見込み客に、自社の製品やサービスを最終的に選んでもらう。

現在のマーケターの課題は「見込み客がそのとき必要としている情報を確実に届けること」です。現在の見込み客は、Googleが提唱したバタフライサーキット2のように、情報を収集しながらファネルの各段階を繰り返し行き来します。これを受けてマーケターの課題も、ファネルの段階を進ませることから、時宜にかなった情報提供へと変化したのです。

検索マーケティングのファネル

現在の見込み客は情報収集に検索エンジンを使います。このため見込み客に情報を届けたいマーケターは、見込み客の段階に応じた最適な情報をコンテンツとして発信することが課題となりました3。このとき、発信した情報を見込み客の元に確実に届けるための施策として最も有力なのがSEOを中心とした検索マーケティングです。

検索マーケティングのマーケティングファネル

SEOは、自発的に情報を求めて検索する見込み客との相性が良いため、幅広いマーケターに選択されています。見込み客の段階に応じて、彼らが求める情報を魅力的なコンテンツに仕上げ、自然検索の結果での露出が最大になるように最適化して発信します。そうすることで、自社が発信する情報と見込み客との接触機会を最大化できるのです。

ファネルの各段階に応じた施策

実際の施策で優先順位が高いのはファネルの下部、転換に近いところの施策です。まずはサイトの転換率(コンバージョン率)を高めることを優先し、トラフィックを流し込むのはその後です。そうでなければ、穴のあいたバケツに水を注ぐようなもので、ファネルが正しく機能しません。まずはバケツの穴をふさぐことが先決です。

SEOはあくまでも売上という目的のための手段に過ぎません。ところが手段が目的化すると、SEOによるトラフィック増加のインパクトが大きい「認知」段階の情報発信にばかり集中し、よくある「アクセスは多いがコンバージョンは少ない」状況に陥ってしまいます。これを避けるため、この記事でも「転換」段階から順に施策を説明します。

転換の段階

転換の段階では、見込み客はすでに購入する製品またはサービスをある程度絞り込んでおり、購入の決め手となる情報を探しています。その見込み客にとっての購入の決め手となる情報を提供している販売者に出会えうことができれば、高い確率で購入に至ります。マーケターの課題は、その情報を的確に届け、コンバージョンを獲得することです。

クエリタイプトランザクショナルクエリ
インテント購入の決め手となる情報を見つけたい
コンテンツ無料トライアル、特典、保証、FAQ、買う理由、サービス詳細・製品詳細
集客手法リスティング広告・SEO

購入の決め手となる情報は見込み客によって異なりますが、無料トライアルや特典、保証、アフターサービス、価格やスペックや納期といった情報を幅広く詳細に提供することで対応できます。これらの情報をページ上に掲載することはもちろん、転換の段階に達している見込み客を集客するためにリスティング広告を併用すること(後述)も有効です。

検討の段階

検討の段階では、見込み客は自分の悩みごとや困りごと、課題や問題を克服または解決する製品やサービスを選択しようとしています。マーケターの課題は、見込み客が製品やサービスを選択するために必要となる知識を伝えることです。自社の製品やサービスについての知識だけでなく、その選び方を知ってもらうことも目標となります。

クエリタイプコマーシャルクエリ
インテント自分の悩みごとや困りごと、課題や問題を克服または解決する製品やサービスを選びたい
コンテンツ比較、事例、ランキング、レビュー、選び方、製品・サービスの詳細
集客手法SEO、アフィリエイト広告

検討や選択のポイントは見込み客によって異なりますが、比較、事例、ランキング、レビュー、選び方、などの情報を幅広く詳細に提供することで対応できます。また、比較やランキングのように自社では発信しにくいタイプの情報をネット上に流通させるために、アフィリエイト広告を併用すること(後述)も有効です。

認知の段階

検討の段階では、見込み客は自分の悩みごとや困りごと、課題や問題についてよく知るために、幅広い情報収集をしています。マーケターの課題は、見込み客が悩みごとや困りごと、課題や問題を克服または解決するために必要となる知識を伝えることを通じて、見込み客との接触を増やし、製品やサービスやブランドを認知してもらうことです。

クエリタイプインフォメーショナルクエリ
インテント自分の悩みごとや困りごと、解決すべき課題や問題について情報を集めたい
コンテンツナレッジ、ハウツー、チップス、チェックリスト、オンラインツール
集客手法SEO、ソーシャルメディア

知りたいことは見込み客によって異なりますが、ナレッジ、ハウツー、チップス、チェックリストなど、知識を提供するコンテンツを幅広く揃えることで対応できます。また、同様の悩みや課題を持った他の見込み客に話題を拡げていくために、ソーシャルメディアやソーシャルメディア広告を併用すること(後述)も有効です。

SEOと他の集客手法の併用

SEOは自分でできる優れた集客手法の一つではありますが、もちろん万能ではありません。集客の課題をすべてSEOで解決することは不可能であり、適材適所で集客手法を使い分けることが必要です。また必要に応じてSEOと他の集客手法と併用することによって、強力な相乗効果を生むことも可能になります。

リスティング広告

リスティング広告の魅力は確実性です。キーワードまたはトピックと入札価格を適切に選択することで、コンバージョンに近い見込み客に確実に露出させることができるため、売上の確保にある程度の計画性を持たせることが可能になります。この確実性や計画性はSEOにはないもので、併用する価値があります。

リスティング広告が特に有効なのは、実際に検索したときに数多くの広告が表示されるキーワードやトピックです。競合性の高いキーワードやトピックは入札価格も高騰しますが、それでも多くの広告主が参入しているのはコンバージョンが取れる証拠なのです。逆に、広告がほとんど出ないキーワードやトピックでは効果が低いことが予想できます。

アフィリエイト広告

アフィリエイト広告の魅力は第三者性です。自社では発信しにくい比較コンテンツやランキング、レビューなど、第三者視点での記事をウェブ上に増やすことができます。自社サイトよりも外部のメディアのほうが効果的なコンテンツは外部に任せることで、ブランドの露出を増やし、より多くの売上を確保できます。

アフィリエイト広告で効果を上げていくためには、提携数や掲載数を伸ばし、不適切なメディアを排除するための運用が必要です。しかしそのノウハウはあまり流通していないため、適切な運用ができない広告主も少なくありません。アフィリエイト広告の正しい運用ノウハウに基づいて着実に運用すれば、アフィリエイト広告は低コストで大きな効果を発揮します。

ソーシャルメディア

ソーシャルメディアの魅力はオーガニックなクチコミの拡散にあります。対話のコミュニティに参加し、コンテンツ施策と併用することで、コンテンツの露出を増やし、認知度の向上と被リンク構築を増強することができます。適切なSMO施策によってフォロワーや言及が増えれば評判も向上するため、SEOにも効果的に働きます。

クチコミ拡散をさらに後押しするためにソーシャルメディア広告を使うのも効果的です。販売を目的にソーシャルメディア広告を使用しても効果は限定的ですが、ターゲットを絞って役立つコンテンツを露出させる目的では大きな効果を発揮するためです。クチコミの拡散によるトラフィックの増加を狙いながら、SEOを後押しすることもできます。

まとめ

検索マーケティングにおけるマーケティングファネル戦略は、見込み客が購買行動の段階ごとに必要とする情報をコンテンツとして発信する試みです。これによって、見込み客が必要としている情報を、必要としているときに、効率よく届けることが可能になります。SEOを中心としながら、他の集客手法を併用することで、さらに効果が高まります。

  • 見込み客が購買行動の段階ごとに求める情報を洗い出し、それらを有用で高品質なコンテンツに作り込んで提供する。
  • SEOを中心にリスティング広告やアフィリエイト広告やソーシャルメディアを併用し、効率よく見込み客にコンテンツを届ける。

現在の消費者の購買行動は多種多様で、マーケティングファネルやカスタマージャーニーをどんなに詳細に作り込んだとしても、その通りに進んではくれません。むしろ、シンプルなファネルを使い、その段階ごとの見込み客の自発的な情報探索をすべて接触機会として活用するのが正解です。さっそく始めてみましょう。

脚注

  1. Purchase funnel – Wikipedia ↩︎
  2. 総集編:デジタルマーケティングが変わる? パルス消費につながる情報探索「バタフライ・サーキット」を知るための 5 つの記事 – Think with Google ↩︎
  3. How to Create Content for Every Stage of the Buyer’s Journey ↩︎