小さな会社の集客戦略は社長主導で「専門特化」か「地域密着」

中小企業のSEOは社長主導で「専門特化」か「地域密着」する

このAI時代、中小企業のSEOにとって最も大切なことは、社長が自らSEOを主導し、専門性に特化するか、地域に密着するか、またはその両方の戦略を採用することです。この戦略を採ることで、広報やクチコミ施策を強く推進でき、市場で覚えてもらいやすくなるからです。戦略的にAI検索SEOを進めれば、Google検索のAIによる概要やAIチャットなどAI検索の普及は、中小企業にとって大きな追い風になります。

小さな会社のSEOに社長の関与は不可欠

小さな会社がSEOで成功するための秘訣は「社長が自らSEOを担当すること」です。少なくとも筆者が知る狭い範囲に限って言えば、SEOで成功している中小企業のすべてで社長さん自身がSEOを担当または主導しています。AI検索時代をむかえたいま、その傾向は以前よりも高まり、SEOに社長の関与は不可欠といえる状況です。

AI検索の回答でおすすめされることを目指すSEOには知名度評判が欠かせません。その知名度と評判を構築していくためには広報とデジタルPRに取り組んでいく必要があります。これは顧客や取引先や同業者などを含む社外の人々との交流や、業界や地域での活動などが中心です。こうした活動の適任者は社長をおいて他にいません。

会社を代表して外部に出られる立場

現実社会でもネット上でも、社長は会社を代表して氏名を明らかにして活動することが普通です。一方、多くの社員は氏名を明らかにして社外で活動することに尻込みしがちですし、強要することもできません。名前を出して活動することで、SNSでの交流セミナー登壇有力サイトへの寄稿など、信頼性を高める活動の幅が広がります。

また自社のウェブサイトでコンテンツを発信する場合でも、社内の他の誰よりも専門性と信頼性を備えた正確で役に立つ情報を発信できるのは社長です。社長は自社の業務を社内の誰よりも熟知しており、顧客や見込み客が知りたがることを理解しており、そして何よりも、責任ある当事者として自分の名前で発信できます。

会社の将来への責任と中長期の視点

社長が持っている中長期の視点はSEOには不可欠なものです。SEOのデメリットで最も重大なものの一つは「短期的な成果が期待できない」ことであり、SEOの効果が出るまでには数ヶ月から数年という長期間を要します。結果が出ない間も意欲と情熱を保つことは、社長には容易でも、社員には困難です。SEOのような中長期の取り組みは社長にこそ向いています。

従来からの自然検索を対象としたSEOでも、これから影響力をより強めていくAI検索のSEOでも、あなたの対象市場における知名度や評判、そして人々からの信頼をしっかりと築いていくことが最重要の課題です。しかし確固たる信頼を築くためには、長期間にわたって粘り強く継続していくことが必要不可欠です。これは社長が主導するほかありません。

新しい話題を作るアイデアと実行力

検索エンジンやAIはトレンドを見ています。「ある地域で一昨日から急に話題になり始めたお店」や「ある業界で先月から話題沸騰の新商品」のようなものを認識します。そして「いま多くの人が関心を寄せているフレッシュな話題である」という理由で、そのトレンドの店や商品を検索結果の目立つ位置に表示するのです。

人々がよく話題にするのは「新しい何か」です。新しい話題を提供することが、クチコミや評判を作るのです。マスコミに取り上げられるような大きな話題から、業界や地域の一部でささやかれるだけの小さな話題まで、話題になることをどんどん提供していくアイデアと実行力は社長ならではのもので、社員にも外注先にも任せられません。

知名度や評判が重視されるAI検索のSEOでは、大手企業や中堅企業が有利、小さな会社が不利になることは避けられません。しかし大手企業や老舗企業に負けない方法もあります。専門特化か地域密着の弱者のSEO戦略を採用することです。

専門特化や地域密着は小さな会社の武器

小さな会社がウェブの世界で、または現実の世界で生き残っていくためにすべきことは、専門分野を絞り込んで専門性に特化するか、商圏を絞り込んで地域に密着するか、またはその両方です1。特定の狭い分野での存在感を高めるか、特定の狭い地域での存在感を高めるか、地域で有名な専門家を目指すかのいずれかの選択です。

そもそもですが、大手や中堅は専門分野を絞ることも商圏を絞ることもできません。大手企業や中堅企業は自分自身を維持するために「何でも、どこでも」とならざるをえず、専門性も地域密着性も薄れていく運命にあります。専門特化や地域密着は、大手や中堅の企業には使うことのできない、小さな会社の大きな武器です。

大手企業や中堅企業は、専門分野を狭く絞ったり、商圏を狭めて地域に密着することができません。中小企業は専門分野や商圏を狭く絞ることで、大手や中堅と差別化でき、価格競争も避けられます。

専門性に特化すればコンテンツの作成が楽になります。幅広いトピックを扱う必要がなくなり、深く狭い話題に限定できるからです。また地域に密着すればローカルSEOが楽になります。その地域の投稿者によるクチコミを集めやすくなるからです。そして何よりも、専門特化や地域密着によって「○○で△△といえば御社」と覚えてもらいやすくなります。

特定の分野の専門性に特化する

専門性に特化するとは、たとえばあなたの会社が工務店だったとしたら、工務店の業務全体の中から特に「バリアフリーリフォームなら当社にお任せ」のように特定分野を強く打ち出すことです。そして効果的なバリアフリーリフォームの方法や、補助金申請などといった関連コンテンツを配信することでSEOを実施していきます。

専門性に特化した業者であると人々に認識されれば、ウェブ上のクチコミや検索キーワードを通じて、また発信するコンテンツのトピックから、検索エンジンにも御社の専門性が伝わることでE-E-A-Tが高まり、優位にSEOを進められます。市場においても検索結果においても、御社はバリアフリーリフォームの専門業者として存在感を高めていくことができます。

実際にはバリアフリーリフォームは集客のためのフックで構いません。実際の業務内容までは絞り込まなくてもいいでしょう。あなたの商圏の人々が「戸建て建築と総合リフォームといえば御社」と想起できればいいですが、それが難しいなら専門分野を絞って「バリアーフリーリフォームといえば御社」という想起をとりにいくのです。

商圏を絞り地域に密着する

先述の例と同じくあなたの会社が工務店だったとしたら、所在する市町村の他に隣接する市町村も商圏に含めていることでしょう。これを、会社が所在する市町村だけに絞るのもいい方策です。「○○市、△△市、□□村で工務店といえば御社」という想起をとることが困難なら、地域を所在する市だけに絞って「○○市の工務店といえば御社」という想起をとるのです。

地域のイベントに協賛したり、地域に屋外サインを設置したり、地域を走るバスなどに交通広告を掲出するのもいいでしょう。サイトやSNSで発信する情報も地域に密着した内容にすれば、地域内での認知向上を後押しします。そうして地域内での認知を高めることで「○○市の工務店といえば御社」と想起してくれる人が増え、SEOを有利に進められます。

この場合もやはり、実際の商圏は隣接市町村まで含めたままで構いません。既存のお客さまが市外にいらっしゃることもあるでしょうし、クチコミが隣接市町村に伝わっていくこともあるでしょうが、それはまったく構いません。広告を含めて、発信する情報を所在地町村に限定することで、狭い地域で存在感を示すことが重要です。

専門性と地域の両方に特化する

地域密着の専門家として、専門分野と商圏の両方を絞るのも良策です。ここまでの例でいえば「○○市でバリアフリーリフォームといえば御社」という想起が得られるように取り組んでいくのです。ここまで絞るのは抵抗があるかもしれませんが、筆者の知る限りこの種の「想起をとるための絞り込み」で失敗した例はありません。

家電量販店やスーパーマーケットが典型ですが、取扱品目が幅広く商圏が広くなればなるほど価格勝負になっていきます。経営資源に乏しい中小企業では戦えません。一方、中小企業はこだわりの品揃えか地域密着のサービスかその両方で存在感を高めることができ、「○○といえば△△社」という想起をとることができます。

AI検索が小さな会社の追い風になる

専門性や地域性などのニーズが絞り込まれるほど、大手や中堅よりも小さな会社が有利になっていきます。GoogleのAIによる概要や各種のAIチャットボットなど、自然な言葉で質問し、回答をダイレクトに得るAI検索が普及するほど、検索者のニーズは絞り込まれ、小さな会社が得意とする領域に収束していきます。

AI検索は小さな会社にとって強力な追い風です。自社の領域を狭く絞り込み、そこでの存在感を高めていくことで、小さな会社はAI検索を追い風にすることができます。自社にしか出せない情報をきちんと発信し、広報やデジタルPRも活用し、特定の専門領域または特定の地域での存在感を高めていきましょう。

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脚注

  1. ↩︎

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