5種類の検索意図とそれぞれのニーズメットの条件

5種類の検索意図で知るニーズメットの条件|AI検索SEO対応

検索意図とは、ユーザーが入力した検索クエリ(検索キーワード)について、その検索クエリを入力した理由、またはその背後にある目的のことを言います。検索意図は、インフォメーショナル、トランザクショナル、コマーシャル、ローカル、ナビゲーショナルの5種類に分類できます。また検索結果に表示されたページがユーザーの検索意図に合うことをニーズメットと言います。

検索意図とは

検索意図とは、ユーザーが入力した検索クエリ(検索キーワード)について、その検索クエリを入力した理由、またはその背後にある目的のことを言います1。Googleは検索品質評価ガイドライン2の中で、検索意図(サーチインテントまたはユーザーインテントとも)を次のように説明しています。

ユーザーインテント: 人がクエリを入力するとき、その人は何かを成し遂げようとしている。この目的をユーザーインテントと呼ぶ。

Google検索品質評価ガイドライン

自然検索の結果におけるランキングは、検索意図とページとの一致度(ニーズ・メットといいます)によって作られています。検索エンジンはユーザーのクエリから検索意図を推測して、その検索意図に沿ったページ(ニーズメットなページ)を抽出し、人気度ページの品質を加味してランク付けします(下図)。

クエリープロセシングの流れ。検索エンジンはユーザーのクエリから検索意図を推測し、その意図に合うページを抽出し、ランク付けします。

ある特定のキーワードで検索結果の上位に表示させたい場合、まず何よりも必要なことは「検索意図に合っていること」です。検索エンジンはユーザーの検索意図に合ったページ(ニーズメットなページ)を出力しますから、検索意図を満たすコンテンツを作成することが長らくSEOの基本とされてきました。

しかし現在では、ユーザーの検索意図に合った(ニーズメットな)回答はAIによる概要やAIモードのようなAIが生成し、ユーザーはそれを見て目的を達成することが増えています。このため現状では、検索意図やニーズメットの重要性は以前ほど高くありません。むしろコンテンツ制作においてはコンテンツの独自性やコンテンツ作者の専門性のほうが重要です。

ニーズメット(Needs Met) とは

ニーズメットとは、検索ユーザーのニーズがどの程度満たされたかを判断する指標で、Google検索品質評価ガイドラインの中で示されている概念です。ニーズメットは、検索ユーザーのニーズに焦点を当て、そのコンテンツが検索ユーザーにとってどれだけ役立ち、どれだけ満足のいくものかを判断します。

ある人が検索するとき、その人は質問に対する答えを求めており、良好な検索体験のためには上位に表示されるウェブサイトがその質問に明確に答えている必要があります。逆にいえば、コンテンツがどれだけ高品質で評判のよいものだったとしても、そのときの検索意図に対してニーズメットでないなら検索結果に表示されません

ニーズメットな回答をAIが生成する現在では、検索意図とニーズメットを突き詰めることはあまり意味がなくなりました。それよりも、見込客や既存客を具体的に想定し、その人々が他ではなくあなたのサイトで知りたいことを具体的に発信することのほうが重要です。

検索意図の5分類とニーズメットの条件

後述するように検索意図を分類する方法には様々なものがあり、検索エンジンの進化の歴史とともに変遷しています。現時点で標準的な分類として僕は、インフォメーショナル・クエリ、トランザクショナル・クエリ、コマーシャル・クエリ、ローカル・クエリ、ナビゲーショナル・クエリ、という5種類に分類する方法を推奨しています。

インフォメーショナル・クエリ

インフォメーショナル・クエリは情報を探すことを意図した検索です。「意味」や「方法」のように知りたいことを絞るキーワードを含むことが多く、検索結果に表示されるのは通常のリンクだけでなく画像や動画の検索結果が表示されることが多いのが特徴です。次のようなものがインフォメーショナルクエリの例です。

  • [MacOS + ショートカット]
  • [キシリトール + 下痢]
  • [チューブタイヤのパンクを修理する方法は?]
  • [日本国内にあるお寺の数はいくつですか?]

知識や情報を知りたい意図のインフォメーショナルクエリに対してニーズメットなコンテンツは、ユーザーの質問に対する回答となる情報ですが、現在ではその多くを「AIによる概要」が生成します。このため現状、他でも入手できる一般的な情報を公開しても意味がないと僕は考えます。

インフォメーショナル・クエリに対応するコンテンツは、あなたが発信しなければ他からは出てこない情報だけで十分です。会社やお店の情報、製品やサービスの情報、事例、ヘルプやサポート情報などです。これらを不足なく発信しましょう。

インフォメーショナルクエリへの対応は、他でも入手できる一般的な情報を提供するのではなく、事例やサポート情報、配送や返品のポリシーなど、御社の固有の情報の公開に集中することをおすすめします。御社の固有の情報は、それを調べているユーザーのクリックが得られるだけでなく、AIが御社を紹介するときの情報源にもなります。

コマーシャル・クエリ

コマーシャルクエリは購買などの商取引のための調査を意図した検索です。商品やサービスを比較検討したり、製品や販売者の評判を調べるもので「商業調査クエリ(commercial investigation queries)」とも呼ばれます。「おすすめ」や「人気」や「レビュー」など比較検討を意図するキーワードを含むことが多いのが特徴です。次のようなものがコマーシャル・クエリの例です。

  • [ジムニー + 納期]
  • [胡蝶蘭 + 相場]
  • [3万円以内で買えるAndroidスマホのおすすめ機種は?]
  • [長距離のウォーキングにも使えるランニングシューズのおすすめモデルは?]

自分に合った製品やサービスを探したり比較したりするコマーシャルクエリでは、AIによる概要でおすすめの候補が表示され、検索者の意思決定に大きく影響します。AIが生成する回答で自社のブランドが推薦されることを目標に、他のどの検索意図よりも注力します。外部の第三者によるクチコミを促進することが有効です。

評判の調査や比較を意図するコマーシャル・クエリでの検索をユーザーの視点から見ると、自然検索の結果からあちこちのページを見て回って自分で調べたり比較するよりも、AIによる概要やAIモード、またはAIチャットに尋ねるほうが圧倒的に楽です。AIに推薦されるSEOに注力しましょう。

コンテンツで対応する場合、検索ユーザーが調査や比較をするために必要な情報が不足なく掲載されているコンテンツがニーズメットです。しかし単なる比較ではAIによる概要に阻まれてページへの来訪はほとんど得られません。実際に使用した感想なども含めて比較したオリジナリティが高く有用なコンテンツであれば来訪も得られるでしょう。

ナビゲーショナル・クエリは特定のウェブサイトまたはウェブページに移動することを意図した検索です。ユーザーの本来の目的は「移動先のサイトやページで何をするか」にあるため、ユーザーの意図としては意味が薄く、クエリを処理する検索エンジン側の視点での検索意図です。次のようなものがナビゲーショナル・クエリの例です。

  • [Youtube]
  • [Amazon]
  • [Facebook]

ナビゲーショナルクエリは多くの場合、上記の例のようにサイト名の指名検索です。ナビゲーショナルクエリはユーザーがあらかじめ訪問先のサイトまたはページを知っているときに発生するため、そのサイトやコンテンツに知名度と信頼があり、ユーザーに支持されていることを示すため、重要なランキング要因の一つとなります。

ナビゲーショナル・クエリによる検索は、ブランドの知名度と評判を高めた結果として得られます。製品やサービスの質を高めていく努力はもちろんですが、広報、社交、営業、接客などを通じて顧客や関係者との間に良好な関係を構築し、言及される回数を増やすことが重要です。訪問の動機となるイベントやセールの実施も効果的です。

トランザクショナル・クエリ

トランザクショナル・クエリは訪問したサイト上で予約や注文や購入やダウンロードなど、何らかの取引をすることを意図した検索です。「通販」や「セール」や「予約」や「購入」や「注文」などの購入を意図するキーワードを含むことが多く、検索結果には広告やショッピング検索の結果が並ぶのが特徴です。次のようなものがトランザクショナル・クエリの例です。

  • [ドライバッグ + 20リットル + 通販]
  • [PD充電器 + 85w + 注文]
  • [CANONのプリンタのドライバダウンロードページは?]
  • [NHKの引っ越し手続きページは?]

購入やダウンロードなどの行動を意図するトランザクショナルクエリは、上述のナビゲーショナルクエリとコマーシャルクエリの中間的なものですので、対応もまた中間的なものとなります。知名度と評判を高めてAIによる概要の中で推薦されることを目標としながら、自然検索の結果でも確実な露出を狙います。

またトランザクショナル・クエリに対してニーズメットにするためには利用者が安心して取引できることが必要です。そのためには、サイトの運営者の情報が不足なく掲載されていて、問い合わせ窓口が複数の方法で提供されていることのほか、知名度や人気、評判の良さが必要となります。詳しくはECサイトのSEOをご覧ください。

ローカル・クエリ

ローカル・クエリは地理的な場所や事業者を探すことを意図した検索です。旅行先で訪れる場所を検討したり、現在地近くのカフェを探したり、自宅に出張してくれる工事業者やフードデリバリーを探します。検索結果に地図表示(ローカルパックといいます)が出ることと、近くの場所や事業者が上位に表示されるのが特徴です。次のようなものがローカル・クエリの例です。

  • [郵便局]、[コンビニ]、[ガソリンスタンド]
  • [渋谷 + 駐車場]、[内牧温泉 + ランチ]
  • [近くで電源の使えるカフェは?]
  • [深夜営業している近くのドラッグストアは?]

ローカル・クエリのニーズメットは、まずクエリと対象施設の一致度が重要で、その次に検索ユーザーの現在地や目的地との距離の近いものほどニーズメットになります。さらにその次に重要なのは人気や評判で、Googleマイビジネス上を中心に各種のクチコミサイトでのクチコミや評点が考慮されます。

また近年ではローカル・クエリにおいてもAIの回答で推薦されることの重要性が増しています。AIの回答で候補として推奨させることと、従来の検索結果でマップパックに表示させることを第一の目標にしながら、従来の検索結果で上位を狙っていきましょう。

検索意図の調べ方とSEOでの考え方

初期の検索エンジンのランキングは、検索キーワードの文字列とページ内の文字列の一致度によって決まっていました。しかし現在のGoogle検索では、検索意図とページ(またはエンティティ)との一致でランキングが決まります。検索意図を満たしていないページが上位にランク付けされることはありません。

そのキーワードをGoogleがどんな検索意図のキーワードであると判断しているかを調べる方法は、実際に検索してみて、検索結果に表示されるページのタイプを見ていくことです。Googleが判断している検索意図ごとに特徴的な検索結果が表示され、それを確認することで、Googleがその意図をどう判断しているかがわかります

  • インフォメーショナル・クエリ ── ほとんどの検索でAIによる概要が表示され、検索者の質問に対する回答はそこで用が足りる。自然検索の結果の上位には「〜とは?」や「〜の方法」といった情報を伝えるページが並ぶ。
  • コマーシャル・クエリ ── AIによる概要が表示され、AIが推薦する製品やサービスなどが推薦されることが多い。検索結果の上位には「おすすめランキングn選」といったリストコンテンツやレビュー記事などが表示される。
  • ナビゲーショナル・クエリ ── AIによる概要が表示されないことが多く、行き先となるサイトのサイトリンクが表示される頻度が高く、強力なブランドや店舗名で検索した場合にはナレッジパネルが表示されやすい。
  • トランザクショナル・クエリ ── 検索結果画面の上部にはAIによる概要が表示されやすいほか、それと前後する形で商品検索結果や検索連動型広告が表示される。自然検索の結果にはECサイトの商品ページやカテゴリページが並ぶ。
  • ローカル・クエリ ── 検索結果の上部にローカルパック(地図とキーワードに関連のある施設のリスト)やAIによる概要が表示される。

このようにSEOでは、特定のキーワードで上位表示を狙いたいとき、実際にそのキーワードで検索してみて、Googleがそのキーワードをどんな検索意図だと判断しているかを確認する必要があります。冒頭で検索意図を理解することが最初の一歩であり重要としたのはこのような事実からです。

AI検索SEOへの対応

特定のサイトやページに移動する意図のナビゲーショナル・クエリを除くと、検索結果画面にAIが導入された現在の検索結果では、検索意図に対するニーズメットな回答はAIが生成します。この影響で、インフォメーショナル・クエリやコマーシャルクエリでは、ニーズメットなコンテンツを作成してもクリックが発生しにくい状況になっています。

この現状から、AI検索時代のSEOはAI推薦を獲得することが目標となり、検索意図に合ったニーズメットなコンテンツよりも、自社や自社のブランドをAIに推薦させるために外部の第三者による好意的なクチコミを必要とします。事業収益に直結するクエリにまとめて対応するために、広報やデジタルPRを推進しましょう

AI検索時代をむかえたいま、ユーザーの質問に対する回答はAIが生成します。このためウェブサイト運営者は、検索意図を的確に満たすコンテンツを作成することよりも、AIが生成する回答の中で自社や自社のブランドが推薦されることを狙いましょう。

なおインフォメーショナル・クエリについては、他でも入手できる一般的な知識を提供するコンテンツを縮小または廃止すべきというのが僕の考えです。AI検索以前のSEOであれば、検索ボリュームの大きなキーワードの検索意図を分析してその意図を満たすコンテンツを作成することが有効でした。しかし現在、この方法では流入につながりません。

インフォメーショナル・クエリへの対応は、一般的な知識を提供するコンテンツで対応するのではなく、製品仕様や事例、会社情報、配送や返品などの各種ポリシー、サポート情報など、御社の固有の情報を端的にわかりやすく、そして不足なく発信することで対応し、「あなたの会社やあなたのブランドについて調べている人」の疑問にきちんと答えられていれば十分だと僕は考えます。

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脚注

  1. User intent – Wikipedia
    What Is Search Intent? A Complete Guide ↩︎
  2. Google検索品質評価ガイドライン(PDF・英語) ↩︎

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