検索意図(検索インテント)とは? 分類とニーズメットの考え方

検索意図(検索インテント)とは? 分類とSEOでの考え方、調べ方

検索意図とは、ユーザーが入力した検索クエリ(検索キーワード)について、その検索クエリを入力した理由、またはその背後にある目的のことを言います。ユーザーの検索意図は、インフォメーショナル、トランザクショナル、コマーシャル、ローカル、ナビゲーショナルの5種類に分類できます。検索エンジンは検索意図に合ったページを検索結果に返す(ニーズメット)ため、検索意図の理解はSEOにとって最重要です。

検索意図とは

検索意図とは、ユーザーが入力した検索クエリ(検索キーワード)について、その検索クエリを入力した理由、またはその背後にある目的のことを言います1。Googleは検索品質評価ガイドライン2の中で、検索意図(サーチインテントまたはユーザーインテントとも)を次のように説明しています。

ユーザーインテント: 人がクエリを入力するとき、その人は何かを成し遂げようとしている。この目的をユーザーインテントと呼ぶ。

Google検索品質評価ガイドライン

現在の検索結果におけるランキングは、検索意図とページとの一致度(ニーズ・メットといいます)によって作られています。検索エンジンはユーザーのクエリから検索意図を推測して、その検索意図に沿ったページ(ニーズメットなページ)を抽出し、人気度ページの品質を加味してランク付けします(下図)。

クエリープロセシングの流れ。検索エンジンはユーザーのクエリから検索意図を推測し、その意図に合うページを抽出し、ランク付けします。

ある特定のキーワードで検索結果の上位に表示させたい場合、まず何よりも必要なことは「検索意図に沿っていること」です。検索エンジンはユーザーの検索意図に沿ったページ(ニーズメットなページ)を出力しますから、SEOではこの検索意図を理解することが最初の一歩であり、コンテンツ制作では検索意図の充足を常に意識する必要があります。

ニーズメット(Needs Met) とは

ニーズメットとは、検索ユーザーのニーズがどの程度満たされたかを判断する指標で、Google検索品質評価ガイドラインの中で示されている概念です。ニーズメットは、検索ユーザーのニーズに焦点を当て、そのコンテンツが検索ユーザーにとってどれだけ役立ち、どれだけ満足のいくものかを判断します。

SEOの観点では、ユーザーの検索意図(またはGoogleがそのクエリをどのような検索意図と判断したか)を理解し、その検索意図を的確に満たすページを制作することで、上位表示を得やすくなることを意味します。このことから、ユーザーの検索意図(またはそのGoogleの判断)の理解はSEOの基本の中の基本となります。

ある人が検索するとき、その人は質問に対する答えを求めており、良好な検索体験のためには上位に表示されるウェブサイトがその質問に明確に答えている必要があります。逆にいえば、コンテンツがどれだけ高品質で評判のよいものだったとしても、そのときの検索に対してニーズメットでないなら検索結果に表示されません。

ユーザー意図と検索意図の違い

「ユーザー意図(ユーザーインテント)」と「検索意図(サーチインテント)」は多くの場合ほとんど同じ意味の用語として使われています。しかし厳密には、以下のような違いがあります。

  • ユーザー意図(ユーザーインテント)– 連続した検索行動を通じてユーザーが最終的に達成したい目標のこと。
  • 検索意図(サーチインテント)– 最終的な目標に向かう途中の個々の検索において、それぞれの検索の背後にある意図のこと。

これをふまえ、この稿では基本的に「検索意図」を用います。検索露出を増やすためには個々の検索の意図に合ったコンテンツを提供していくことが必要であり、たとえユーザーの最終的な目標の達成に寄与するコンテンツだったとしても、個々の検索の意図と合わないコンテンツでは検索結果に表示されないからです。

検索意図の一覧

後述するように検索意図を分類する方法には様々なものがあり、検索エンジンの進化の歴史とともに変遷しています。現時点でSEOの観点から便利に使えるのは、インフォメーショナル、トランザクショナル、コマーシャル、ローカル、ナビゲーショナル、という5種類に分類する方法です。

インフォメーショナル・クエリ

インフォメーショナル・クエリは情報を探すことを意図した検索です。「意味」や「方法」のように知りたいことを絞るキーワードを含むことが多く、検索結果に表示されるのは通常のリンクだけでなく画像や動画の検索結果が表示されることが多いのが特徴です。次のようなものがインフォメーショナルクエリの例です。

  • [MacOS + ショートカット]
  • [キシリトール + 下痢]
  • [チューブタイヤ + パンク修理]

トランザクショナル・クエリ

トランザクショナル・クエリは訪問したサイト上で予約や注文や購入やダウンロードなど、何らかの取引をすることを意図した検索です。「通販」や「セール」などの購入を意図するキーワードを含むことが多く、検索結果には広告やショッピング検索の結果が並ぶのが特徴です。次のようなものがトランザクショナル・クエリの例です。

  • [ドライバッグ + 20リットル]
  • [PD充電器 + 85w]
  • [185/85R16 + スタッドレス]

コマーシャル・クエリ

コマーシャルクエリは購買などの商取引のための調査を意図した検索です。商品やサービスを比較検討したり、販売者の評判を調べるもので「商業調査クエリ(commercial investigation queries)」とも呼ばれます。「おすすめ」や「人気」や「レビュー」など比較検討を意図するキーワードを含むことが多いのが特徴です。次のようなものがコマーシャル・クエリの例です。

  • [ジムニー + 納期]
  • [Androidスマホ + おすすめ]
  • [胡蝶蘭 + 相場]

ローカル・クエリ

ローカル・クエリは地理的な場所や事業者を探すことを意図した検索です。旅行先で訪れる場所を検討したり、現在地近くのカフェを探したり、自宅に出張してくれる工事業者やフードデリバリーを探します。検索結果に地図表示(ローカルパックといいます)が出ることと、近くの場所や事業者が上位に表示されるのが特徴です。次のようなものがローカル・クエリの例です。

  • [郵便局]、[コンビニ]、[ガソリンスタンド]
  • [渋谷 + 駐車場]
  • [内牧温泉 + ランチ]

ナビゲーショナル・クエリは特定のウェブサイトまたはウェブページに移動することを意図した検索です。ユーザーの本来の目的は「移動先のサイトやページで何をするか」にあるため、ユーザーの意図としては意味が薄く、クエリを処理する検索エンジン側の視点での検索意図です。次のようなものがナビゲーショナル・クエリの例です。

  • [Youtube]
  • [Amazon]
  • [Facebook]

SEOでの検索意図の役割と調べ方

初期の検索エンジンのランキングは、検索キーワードの文字列とページ内の文字列の一致度によって決まっていました。しかし現在のGoogle検索では、検索意図とページ(またはエンティティ)の一致でランキングが決まります。検索意図を満たしていないページが上位にランク付けされることはありません。

以下のスクリーンショットはキーワード「ホワイトボード」の検索結果で、画面には通販サイトばかりが並んでいます。これはGoogleが機械学習を通じて、このキーワードの検索意図はトランザクショナル・クエリであり、より詳しくは「ホワイトボードを通販で買いたい」であると判断したことを示しています。

「ホワイトボード」の検索結果

検索結果がこのように通販サイトで占められている場合、たとえば「ホワイトボードとは?」のようなコンテンツを上位に表示させることは不可能です。なぜなら「ホワイトボードとは?」のようなインフォメーショナルなコンテンツでは、Googleが判断した検索意図(通販で買いたい)とコンテンツが一致しない、つまりニーズ・メットではないからです。

以下のスクリーンショットはキーワード「縦型洗濯機」の検索結果で、画面にはおすすめリストばかりが並んでいます。これもGoogleが機械学習を通じて、このキーワードの検索意図はコマーシャル・クエリであり、より詳しくは「おすすめの縦型洗濯機のリストやランキングが見たい」であると判断したことを示しています。

「縦型洗濯機」の検索結果

このように、検索結果の上位に表示されるページのタイプは、Googleが判断したそのキーワードの検索意図によって決まります。Googleが判断した検索意図と合わないタイプのコンテンツ(つまりニーズメットでないコンテンツ)を用意しても、検索結果の上位に表示させることは不可能なのです。このようなことから、SEOにおいて検索意図は極めて重要な要因となっています。

そのキーワードをGoogleがどんな検索意図のキーワードであると判断しているかを調べる方法は、実際に検索してみて、検索結果に表示されるページのタイプを見ていくことです。Googleが判断している検索意図ごとに特徴的な検索結果が表示され、それを確認することで、Googleがその意図をどう判断しているかがわかります。

  • インフォメーショナル・クエリ – 検索結果の上位に「〜とは?」や「〜の方法」といった情報を伝えるページが並ぶ。
  • ローカル・クエリ – 検索結果の上部にローカルパック(地図とキーワードに関連のある施設のリスト)が表示される。
  • コマーシャル・クエリ – 検索結果の上位に「おすすめランキングn選」といったリストコンテンツやレビュー記事などが表示される。
  • トランザクショナル・クエリ – 検索結果の上位にはECサイトの商品ページやカテゴリページが並び、商品検索結果や検索連動型広告が表示される。

たとえばあなたが家電品のECサイトを運営していたとして「縦型洗濯機」のキーワードであなたの店の商品ページや商品カテゴリを上位に表示されられれば素晴らしいでしょう。しかしそれは不可能です。Googleはこのキーワードを商業調査のためのコマーシャルクエリであるとみなしており、すぐに商品を買うことを意図したトランザクシャルクエリとはみなしていないからです。

また同様に、あなたがアフィリエイトサイトを運営していたとして「ホワイトボード」のキーワードであなたのサイトの「おすすめのホワイトボード12選」のページを上位に表示させられれば素晴らしいでしょうが、それも不可能です。Googleはこのキーワードを、すぐに買うトランザクショナルクエリとみなしており、おすすめ商品を調査しているコマーシャルクエリとはみなしていないからです。

このようにSEOでは、特定のキーワードで上位表示を狙いたいとき、実際にそのキーワードで検索してみて、Googleがそのキーワードをどんな検索意図だと判断しているかを確認する必要があります。冒頭で検索意図を理解することが最初の一歩であり重要としたのはこのような事実からです。

検索意図の分類の変遷

検索エンジンはクエリを正確に処理するために、クエリの意図を判断できる必要があります。検索意図の分類は当初、検索エンジンの開発側の視点で、クエリの正確な処理のために考えられました。その後、検索マーケティングの視点からの有用な分類が登場していきます。

ブローダーによる基本の3分類

検索意図を「ナビゲーショナル」「インフォメーショナル」「トランザクショナル」の3種類に分類する考え方は、2002年にAltavistaの研究担当副社長(当時)のアンドレイ・ブローダー3が発表した論文「A taxonomy of web search4」で示されました。その中でブローダーは検索意図について次のように説明しています。

ウェブの文脈における「クエリの背後にある必要性」は、情報分野に関連したものであるとは限らない。そこで我々はクエリを、その意図だけに基づいて次の3種類に分類する。

  1. ナビゲーショナル・クエリ– 特定サイトに到達することを目的とする。
  2. インフォメーショナル・クエリ – 一つまたは複数のウェブページに存在すると想定される情報の取得を目的とする。
  3. トランザクショナル・クエリ – Webを利用した何らかの活動を行うことを目的とする。

「A taxonomy of web search」Andrei Broder

発表から20年以上が経った現在でも、この分類は検索エンジン側から視点で見るユーザーの検索意図の基本として用いられています。時代や環境の変化に応じて変化(現実の場所に訪問することを意図するVisit-in-personインテントが追加されるなど)しているものの、いまも検索意図の基本はブローダーの3分類であることに変わりはありません。

品質評価ガイドラインに見る変遷

検索品質を評価するためには、ユーザーの検索意図の理解は欠かせません。Google検索品質評価ガイドラインの初期バージョンである2012年11月のVersion 1.05では「2.4 ユーザーインテントの分類:アクション・インフォメーション・ナビゲーション ─『Do-Know-Go』」の項で、ユーザーの検索意図を次のように説明しています。

  • アクション・インテント – ソフトウェアをダウンロードする、オンラインでゲームをする、花を贈る、面白いビデオを探すなど、ユーザーは目標を達成したり、活動に取り組みたいと考えている。これらは「Do」クエリで、ユーザーは何かをしたがっている。
  • インフォメーション・インテント – ユーザーは情報を見つけたがっている。これらは「Know」クエリで、ユーザーは何かを知りたがっている。
  • ナビゲーション・インテント – ユーザーはウェブサイトやウェブページに移動したがっている。これらは「Go」クエリで、ユーザーは特定のページに行きたいと考えている。

Google検索品質評価ガイドライン Version 1.0 “2.4 Classification of User Intent

上記のあと急速にスマホシフトが進行し、2015年にGoogleはマイクロモーメント(後述)を提唱しました。これを経た検索品質評価ガイドライン2016年3月版6では「Visit-in-personクエリ(訪問型クエリ)」が追加されました。また、Doクエリにはデバイスアクションを含むように変更されました。

  • Knowクエリ – その一部はKnow Simpleクエリ(訳注:天気や株価や試合結果のような単純な質問)である。
  • Doクエリ – その一部はデバイスアクション・クエリ(訳注:一例として「OK Google、電気を点けて」が挙げられる)である。
  • ウェブサイト・クエリ – 特定のウェブサイトやウェブページを探している。
  • Visit-in-personクエリ(訪問型クエリ)– 一部は特定の会社や組織を探しており、また一部は業種から探している。

Google検索品質評価ガイドライン2016年3月版12.7 Understanding User Intent

この後は数年にわたって変更はありませんでしたが、2022年7月版7で更新され、Doクエリの記述が「その一部はデバイスアクション・クエリである」から「ユーザーが目標を達成するため、または活動に取り組むためのクエリである」と変わりました。DoクエリはVersion 1.0 に戻った形です。ここまでのGoogleによる分類をまとめると次のようになります。

検索意図別名内容
インフォメーションKnowクエリユーザーは何かを知るために情報を見つけたがっている。インフォメーショナルクエリ。一部はKnow Simpleクエリ(天気や株価や試合結果のような単純な質問)である。
アクションDoクエリユーザーは目標を達成したり、活動に取り組みたいなど、何かをしたがっている。トランザクショナルクエリ。一部はデバイスアクション・クエリ(例:「OK Google、電気を点けて」)である。
ウェブサイトGoクエリユーザーは特定のウェブサイトや特定のウェブページに移動したがっている。ナビゲーショナルクエリ
Visit-in-personユーザーは現実の場所に行きたがっていて、場所や経路を調べている訪問型クエリ(ローカル検索クエリ)である。その一部は特定の会社や組織を探しており、また一部は業種から探している。

ここまで紹介してきた各種の分類は、ユーザーの意図を推定してクエリを処理するという検索エンジンの運営側からの視点で分類されたものです。このためユーザー側の本来の意図とは異なってしまう部分があります。ユーザーはあくまでも、検索を通じて個人的な目的を果たすところに意図を持っているからです。

たとえばナビゲーショナルクエリは、クエリを正確に処理しようとする検索エンジンにとっては重要な検索意図の一つですが、ユーザーにとってはそれほど重要ではありません。AmazonやFacebookといった特定のサイトにアクセスすることそのものはユーザーの目的ではなく、ユーザーの目的は「その特定のサイトで何をするか」にあるからです。

検索エンジンの運営側からの視点での検索意図の分類は、ユーザーの意図に合ったコンテンツを提供するというマーケティング視点とは異なることに注意が必要です。

マーケティング視点では、ユーザーが検索するタイミングをユーザーとの接点を作るチャンスととらえます。ユーザーの検索意図を把握することで、ユーザーとの接点を作るチャンスを逃すことなく、ユーザーの目的に沿った適切なコンテンツを届けることができます。ここからは、こうしたマーケティング視線での分類を紹介します。

コマーシャル検索インテントを含めた4分類

ブローダーによる検索意図の3分類が発表されてからわずか4年後にあたる2006年に、マイクロソフトのホンファ・ダイらの研究チームは、商業的な意図が含まれる検索クエリを機械学習によって抽出するモデルを発表8しています。これが、検索意図にコマーシャル・クエリを含め、以下に示した4種類とする分類の始まりです。

  • インフォメーショナル・クエリ
  • コマーシャル・クエリ
  • トランザクショナル・クエリ
  • ナビゲーショナル・クエリ

コマーシャル・インテント(またはコマーシャル・クエリ)とは、インフォメーショナル・クエリとトランザクショナル・クエリが重なる部分に位置し、商取引のための調査を意図しています。別の言い方として、商業調査型インテント(Commercial investigation intent)と呼ぶことも一般的です。その例は次のようなものです。

  • 自分に合う商品やサービスを探したい
  • 売れ筋の商品やサービスのランキングを知りたい
  • 購入を検討している商品やサービスの比較をしたい
  • 商品やサービスの評判を知りたい
  • 商品やサービスの価格帯を知りたい
  • 商品やサービスの使い勝手を知りたい
  • 販売者の評判を知りたい
  • サポート情報や保証情報を知りたい

コマーシャル・クエリを含めて検索意図を4種類とする分類方法は、以下の図に示したようにマーケティング・ファネルとの相性が良いため、世界的には非常に人気が高い分類方法です。2010年代からは事実上、この4分類を用いるのが検索マーケティング業界におけるスタンダードとなっています。

オンラインビジネスにおける検索意図とマーケティングファネル

この分類を用いることで、特にオンラインビジネスのように商圏の広いビジネスでは、コンテンツマーケティングや検索連動型広告の運用を計画的に実施しやすくなります。各インテントとマーケティングファネルの各段階、及びそれらの役割についてまとめたのが以下の表です。

検索意図ファネルの段階その段階の役割
インフォメーショナル・クエリ認知
awareness
生活者の疑問を解消したり課題を解決するコンテンツを通じて、自社やその製品やサービスの存在を認知してもらう。
コマーシャル・クエリ検討
consideration
自社やその製品やサービスの魅力や優位性を伝えるとともに、比較や検討の材料を十分に用意することで、高く評価してもらう。
トランザクショナル・クエリ転換
conversion
広告キャンペーンを実施したり、強力なクロージングを行うコンテンツを用意するなどして、購入に向けた最後の一押しをする。
ナビゲーショナル・クエリ維持
retention
カスタマーサクセスのための役立つコンテンツを継続的に発信し、継続的なサイト訪問から関係の維持・発展させていく。

コマーシャル検索インテントを組み込んだ検索意図の分類を用いることで、ファネルの各段階に応じた検索マーケティングを効率よく実施できます。具体的には、インフォメーショナル、コマーシャル、ナビゲーショナルの各段階にはコンテンツSEOで対応し、トランザクショナルの段階には各種の広告で対応するなどの施策が考えられます。

ローカル検索インテントを含めた4分類

2013年、Googleはウェブ検索結果に地図カルーセル(現在はローカルパックと呼ばれています)を挿入し、ローカル検索結果を表示するようになりました。これを受けて、あらゆるローカルビジネスにとってローカル検索インテントは非常に重要なものとなり、検索マーケティングの分野もそれに対応しています。

店舗型であれ出張型であれ、地域に根ざした形で営業しているローカルビジネスは、前項で紹介したコマーシャル検索インテントを含む検索意図の4分類からナビゲーショナル・インテントを除き、代わりにローカル・インテントを含めた4分類を用いるようになりました。それは以下のようなものです。

  • インフォメーショナル・インテント
  • ローカル・インテント
  • コマーシャル・インテント
  • トランザクショナル・インテント

ローカル検索インテントとは、特定の地理的場所に関連する情報やビジネスを探す意図のことです。地元の事業者を探すような場合、スマートフォンの位置情報を使用した検索は他の手段よりもはるかに効率的であるため、ローカル検索インテントは増加する一方です。この検索意図の例には次のようなものがあります。

  • 自分に好みや条件に合った旅行先や観光地や店を見つけたい
  • 目的地周辺の観光名所やホテルや飲食店を知りたい
  • 近くで開催されるイベントを知りたい
  • 自宅に出張してくれる事業者に依頼したい
  • いまいる場所の近くのカフェやレストランに行きたい
  • レストランや美容院を探して予約したい
  • フードデリバリーを注文したい

前項で紹介したコマーシャル検索インテントを含む検索意図の4分類と同様、ローカル・インテントを含めた4分類もまたマーケティングファネルとの相性が良く、ローカルビジネスの検索マーケティングにおいては、このローカル・インテントを含めた検索意図の4分類がよく使われています。

ローカルビジネスにおける検索意図とマーケティングファネル

ローカルビジネスがこの分類を用いることで、コンテンツマーケティングや検索連動型広告の運用を計画的に実施しやすくなります。各インテントとマーケティングファネルの各段階、及びそれらの役割についてまとめたのが以下の表です。各段階に応じたコンテンツ施策を考えるとよいでしょう。

検索意図ファネルの段階その段階の役割
インフォメーショナル・クエリ認知
awareness
生活者の疑問を解消したり課題を解決するコンテンツを通じて、自店やその製品やサービスの存在を認知してもらう。
ローカル・クエリ評価
appraisal
距離や交通の便、営業時間、評判などの情報から訪問先の候補として残してもらい、購入に向けた細かな検討に進んでもらう。
コマーシャル・クエリ検討
consideration
自店やその製品やサービスの魅力や優位性を伝えるとともに、比較や検討の材料を十分に用意することで、高く評価してもらう。
トランザクショナル・クエリ転換
conversion
割引などのキャンペーンやイベントを実施したり、それらを広告によって告知するなどして来店や予約を促進する。

マイクロモーメント

マイクロモーメントによる検索意図の4分類

2015年、Googleはマイクロモーメント(Micro-Moments)という概念を発表しました。現在の私たちは、何かを知りたい、したい、買いたいとき、すぐにスマートフォンに手を伸ばします。情報を探したり、地元のお店を見つけたり、タスクを完了したり、または何かを購入するためにデバイスを手に取る瞬間が「マイクロモーメント」です9

「マイクロモーメント」とは、人々が「何かをしたい」と思い、反射的に目の前にあるデバイスで調べたり、購入したりという行動を起こす瞬間です。

生活者の意図を捉えるマイクロモーメント(Micro-Moments)10

手元にスマホがあることで、生活者のマイクロモーメントは飛躍的に増えました。この結果、マーケターにとっては、検索を通じて生活者との接点を作るチャンスが飛躍的に増えました。以下に示す Know-Go-Do-Buy という4種類のマイクロモーメントはそれぞれ、検索意図が発生する瞬間に対応しています。

  • Knowクエリ(モーメント)知りたい瞬間 – 何かを知るために調べる瞬間。どこにいても、何をしていても、何かわからないことに出会った瞬間、私たちはそれを知るためにスマートフォンを手に取って検索します。
  • Goクエリ(モーメント)行きたい瞬間 – 出先で近くのカフェを探したり、週末のディナーのための調度よいレストランを探したり、次の休暇の滞在先を選ぶなど、どこかに行こうとするとき、私たちはすぐに検索します。
  • Doクエリ(モーメント)やりたい瞬間 – 新しいレシピを試したり新しい工具を使うなど、何か新しいことにトライするとき、事前に、またはトライしている最中に、私たちはそのやり方やコツを手元のスマートフォンで検索します。
  • Buyクエリ(モーメント)買いたい瞬間 – 何かを買おうとしているとき、それが実店舗の中にいるときだったとしても、私たちは手元のスマートフォンで競合製品や価格を調べます。検索は私たちの買物と切り離すことができません。

私たち生活者はマイクロモーメントのたびに意思決定を繰り返し、そのたびに嗜好が形成されていきます。マーケターの目標はそれらの機会に対してできるだけ多くの影響を及ぼすことです。これは2011年にGoogleが提唱したZMOTに通じます。実際の購入や契約のずっと前の段階から、マイクロモーメントのたびに細かな意思決定が繰り返されているのです。

なおKnow-Go-Do-Buyのマイクロモーメントは厳密には検索意図ではないことに注意してください。これを検索意図の分類に援用するアイデアは2018年に筆者が考案し、複数の講演で発表したもの(一例はWeb担当者Forumミーティング 2018 Autumn)です。しかしマイクロモーメントを検索意図の分類として用いるのは世界標準ではなく、世界標準はコマーシャル・インテントを含む4分類のほうです。

まとめ

検索意図とその分類には、検索エンジン側の視点によるものと、検索マーケティング側の視点によるものがあります。ユーザーの意図に合わせたニーズ・メットなコンテンツを的確に配信し、検索の機会をユーザーとの接点を作る機会として有効に活用していくために、自社の活動に合った検索意図の分類を使うとよいでしょう。

  • コマーシャル・インテントを含めた4分類 – 商圏の広いビジネスが効率的にコンテンツSEOを実施していく場合、この分類にしたがってコンテンツ計画を立てることが有用です。この4分類は商圏の広いビジネスにとってのマーケティングファネルと重なる部分が多く、ファネルの各段階ごとの施策と連動させやすいためです。
  • ローカル・インテントを含めた4分類 – ローカルビジネスにとって効率的なのがこの分類です。この分類にしたがってコンテンツや広告を配信していくことで、マーケティングファネルの各段階に応じた施策を的確に実施できます。この4分類は、ローカルビジネスがインターネットを活用する場合の強力なツールになるでしょう。
  • マイクロモーメント – ある特定のクエリについて、その意図をGoogleがどう判断しているかを推測する場合、マイクロモーメントの4分類にしたがって実際の検索結果を見ることが有用です。Googleの検索結果は、マイクロモーメントのそれぞれの種類によって表示される要素(ナレッジパネルやマップパックなど)が変化するためです。

SEOの理想は、ユーザーが検索するその瞬間の意図を満たした(ニーズメット)うえで、その背後にあるユーザーの目的の達成へと導いていくコンテンツを配信することです。そして、より多くの検索意図に応えることができれば、それだけ多くユーザーとの接触機会を持つことができます。自社の潜在顧客や顧客が持つ検索意図への洞察を深め、より効果的なSEOを進めていきましょう。

脚注

  1. User intent – Wikipedia
    What Is Search Intent? A Complete Guide ↩︎
  2. Google検索品質評価ガイドライン(PDF・英語) ↩︎
  3. Andrei Broder – Wikipedia ↩︎
  4. 「A taxonomy of web search」Andrei Broder著(PDF) ↩︎
  5. Google検索品質評価ガイドライン 2012年11月 Version 1.0(Wayback Machine・PDF) ↩︎
  6. Google検索品質評価ガイドライン 2016年3月版(Wayback Machine・PDF) ↩︎
  7. Google検索品質評価ガイドライン 2022年7月版(Wayback Machine・PDF) ↩︎
  8. Detecting online commercial intention (OCI) | Proceedings of the 15th international conference on World Wide Web ↩︎
  9. Why Every Business Must Embrace Personalization And Micro-Moments ↩︎
  10. 生活者の意図を捉えるマイクロモーメント(Micro-Moments)| Think with Google ↩︎